夏期講習の様子【国語担当講師より】

こんばんは。

毎月40冊の小説を読む国語のエキスパート、白石です。(上げていただいたハードルを拒まないスタイル)

早いもので夏期講習もあっという間に3週目ですね。
自習ブースも連日埋まっていて、見守る私たちも気が引き締まります。

さて、夏期講習期間は中学国語の授業も通常の60分から90分に拡大しております。
いつもより贅沢に時間を使わせていただけるので、
私の授業はまず15分の読書から始めています。

この15分はノートや筆記用具も一旦すべて片づけ(もちろんスマホも鞄か机の中に!)、視界に入るのは本だけという状態を作って、短い時間ですがしっかりと読書に集中し気持ちを切り替えてもらいます。
今回が3回目でしたが、みんな予想以上にスムーズに取り組んでくれていて嬉しい限りです。(もっと嫌がられると思っていた^^;)
全員が本に目を落としている光景、時折ページを捲る音だけが響く静かな教室の緊張感はとても良いものです。
もしかしたら私よりずっと忙しく慌ただしい生活をしているかもしれない彼らの日常にとって、
心を澄まして別世界に触れるこの時間は、短くてもきっと有意義なものになり得るはずだと思います。
本を持参してくれる生徒もいれば毎回【白石文庫】(後述)から気になるものを選んでくる生徒もいて、
何を読んでいるのかなーと教卓からこっそりみんなの手もと、本の表紙に目を凝らすのは私のひそかな楽しみです。


そして15分が経ったらパキっと授業体勢に。
(集中しすぎてなかなか読書をやめない生徒を叱る心苦しさ…)(←読め言うたり読むな言うたり勝手な大人)
前学期中は読書感想プレゼン会やディベート直木賞予想の書評会などイベント的な授業も多かったので、
夏期講習では生徒が楽しく取り組める空気作りはもちろん継続して最優先に努力しつつ、
改めて基礎知識を固める内容を積み重ねていきたいと思っています。

ということで今週の授業は先週に引き続き、品詞の分類、動詞の活用を中心に文法のまとめを行いました。

中学校でその基本のひと通りを習う国文法。
こいつは身につけたからといって国語力に多大な貢献をしてくれるわけではないくせに、配点は小さいものの受験で必ず出題されるなんとも憎たらしい分野です。
ですが、きちんと整理してしまえば実はとっても単純でとっても簡単。
考えてみれば当たり前ですよね、私たちはすでにその文法を使いこなして日々暮らしているんです。
だからこそ、知れば知るほど国文法はおもしろい!
ふだん自分たちが無意識に操っている言語の構造を体系的に学ぶ楽しさといったら。
だって「なるほどそうなっているのか」という理解から「本当だそうなっている!」の実感までがほぼゼロ距離ですよ。喋ってみればそれが答えなんです。この気持ちよさは国文法にしかない醍醐味。
「なんの役に立つんですか?」という気持ちは痛いほどよくわかりますが、
まあそう言わずに。ここはぜひ楽しみながら自分のものにしていってもらいたいと思います。
(あと受験の役に立ちます)

で、先日も(私が)楽しみすぎた結果、
授業は音便の話から古語の発音の話へ、気がついたら最終的に土佐弁の話にまで脱線していました。

大丈夫国語です、ちゃんと国語の授業です。
喋っているとついつい派生してあっちこっちいろんな話をしてしまいますよね(悪癖)
いや、特に土佐弁は、おもしろいんですよ。文法解析していくとものすごく楽しいんです(次回授業でも喋ってしまいそう)(←まだ喋り足りてないんか)
未知の言語土佐弁に最初は戸惑っていた生徒たちですが、
「こどもがすきやきカレーにしちゅう」という呪文のようなフレーズには興味を惹かれたようで笑ってくれて嬉しかったです。(未知過ぎたきやろ)


さて、8月8日から15日まで川西進学Labは夏季休業になっております。
(校舎も閉まっております、ご注意ください)


国語の授業も次は2週間後になりますので、生徒たちにはたっぷりと宿題を出させていただきました。
生徒によって習熟度や苦手な分野は当然違ってくるのでふだんから宿題は基本的に全員違うものを出しています。
(結果的に、提出前に慌てて他の生徒の宿題を写すこともさせません)
今回も、新聞の社説要約から志望校の過去問、演習問題、小説の書評など様々な課題を選んで託しました。
授業では「みんな一緒だからこそ楽しく学べること」を、
宿題では「ひとりひとりの得手不得手を適切にフォローすること」を、
みんなが前向きに国語に親しみ、大きな意味での国語力を身につけていくことを目標にそれぞれ取り組んでいます。


学校の国語の成績を上げることももちろん重要なことす。テスト対策もきっちり行います。
その上で、
誰かから想いを伝えられたときその言葉をきちんと受け取り大切にできる力、
誰かに想いを伝えたいとき、気持ちを込めた温度のある言葉を正しく選ぶことができる力、
国語という学問が育てるのは本来そういう力だと思っています。

しょっちゅう関係ない(ように思える)話に脱線する授業も、
うっとうしいほど繰り返し突き返される宿題の添削修正も、
すべてみんなの国語力のための栄養です。
頑張って吸収してくださいね!

余談ですが。

ブログでも何度か紹介していただいている【白石文庫】。
「生徒が気軽に本を手に取ってくれたらいいなあ」と、本棚のスペースを少し間借りさせてもらい私物の本を並べています。
ジャンルやテーマを決めて、約ひと月ごとに本の入れ替えをしております。
7月は『夏のおはなし』でした。
ただいま8月準備中です。お楽しみに!

それから最後にもうひとつ。

毎月40冊の小説を読む私が最近読んだ本の中から、お気に入りの一説をご紹介させてください。(上げていただいたハードルにガンガン乗っかるスタイル-_-b)
今回直木賞候補にもなった呉勝浩の、『おれたちの歌をうたえ』より、
物語のキーパーソンでもあるとても素敵な女性、千百合さんの台詞です。

「みずからの道を進め。他人には好きに語らせよ」

「勉強をしなさい。恥じない道を歩きたいなら」

夏はいつでも、誰にとっても大切な季節です。
川西進学Labは講師、職員一同、みなさんを全力でサポートします。
悔いのない夏にしましょう!

(文責:国語担当 白石)