大学入学共通テストが高校入試の問題傾向に影響を与えている?①





はじめての大学入学共通テストがついに終了しましたね。

中学生の皆さん、大学入学共通テストなんてまだまだ先のことだし関係ない、まずは高校入試が大事だし、と考えてませんか? 実はそうではないんです。実は、共通テストの問題傾向が、近年の高校入試の英語、数学の問題傾向に影響を与えているのです。ですので、今回は、共通テストの英語の試験内容についてふれてみます。

 巷では、「難化」「ページ数増加」といわれているそうですが、実際、ページ数はあまり重要な論点ではないですよね。形式が一部、試行テストと変わったという批判?の声もあるそうですが、文字通り「試行」テストだったのですから、そこは想定の範囲内で、あまり批判できないのでは、と感じる次第です。

 実際の分量的には、試験全体の総語数が約5500語、昨年のセンター試験を1200語以上も上回っているとのことですから、時間的には厳しかったものと思われます。ただ、個々の大問の文章は比較的読みやすいものが多く、語彙や構文の難易度も、旧センターと比べ、結構、易化したのではと感じました。 

 結局のところ、大学入学共通テストの「英語」という試験で求められているのものは、純粋な英語の文法知識・読解力というよりは、試行テストの時からそうであったように、平易な日常会話レベルの英文の中に潜む細かい数字、ちょっとした時刻・分量の表現に注意をはらいながら、与えられた図表やポスターとテクスト内の情報を照らし合わせていく器用さ、処理能力ということでしょう。

 こうした問題傾向の是非については別の機会に詳しく議論したいのですが、もしも、日本の英語教育が共通テストのような針路をこれからも歩み続けるのであれば、今後、中学生の皆さんも、本格的に、英語の勉強法そのものをシフトさせていく必要性がありそうです。というのも、高校入試においても、上に書いた共通テストを明らかに意識したような問題が増えているのです。

次回はその実態について書こうと思います。